【WING VOICE】Vol.7 日曜劇場『VIVANT』で気になる腕時計。主要キャストが着用する時計を見てみました
現在放送中の日曜劇場『VIVANT』。
第1シーズンからかなり話題になった作品ですが、第2シーズンも相変わらずスケールが大きく、毎週楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。
私たち時計屋としてドラマを見ていると、ストーリーはもちろんですが、どうしても出演者の腕元が気になってしまいます。
「あれ、何着けてるんだろう?」
時計好きなら、一度気になったらもうダメですよね(笑)。
しかも『VIVANT』では、グランドセイコーやセイコーといったWINGでもお馴染みの時計が登場しています。
今回は、主要キャストの腕元に注目してみたいと思います。
乃木憂助/堺雅人さん
GRAND SEIKO Evolution 9 Collection

品番:SLGA009
価格:¥1,276,000(税込)
まずは『VIVANT』の主人公、乃木憂助を演じる堺雅人さん。
乃木は大手商社・丸菱商事に勤務する会社員で、物語の序盤では巨額の誤送金事件を追って海外へ向かうことになります。
一見すると少し気弱で真面目な商社マンですが、物語が進むにつれて明らかになっていくのが、もう一つの顔。
自衛隊の秘密組織「別班」の一員という、かなり特殊な人物です。
普段の柔らかい雰囲気と、任務に入った時の冷静さ、このギャップが乃木という人物の大きな魅力でもあります。
そんな乃木が劇中で着用しているのが、グランドセイコー[SLGA009]です。
時計好きなら「あ、白樺だ」と気付いた方も多いのではないでしょうか。
Evolution 9 Collectionを代表する一本で、信州の白樺林をイメージした非常に細かな型打ちダイヤルが特徴。
搭載されているのはスプリングドライブ[キャリバー9RA2]で、約120時間、つまり5日間のパワーリザーブを備えています。
この時計、乃木という人物にかなり合っていると思います。
パッと見ただけでは、そこまで派手ではありません。
むしろ落ち着いていて、スーツにも自然に馴染む。
でも、よく見ると文字盤の作り込みも、ムーブメントもかなりすごい。
表向きは普通の商社マン、その裏には「別班」という全く違う顔を持つ乃木。
そう考えると、なんとなく時計まで役柄に合って見えてくるんですよね。
グランドセイコーって、まさにそういう時計でもあります。
分かりやすく高級時計を主張するというより、分かる人が見ると、
「それ、いい時計ですね。」
となる。
乃木にはかなり似合っています。

野崎守/阿部寛さん
GRAND SEIKO Sport Collection Spring Drive GMT

品番:SBGE201
当時価格:¥682,000(税込)
※生産終了モデル
続いては、阿部寛さん演じる野崎守。
野崎は警視庁公安部に所属する公安警察官で、海外で危険な状況に巻き込まれた乃木を助け、その後も事件の真相を追っていく重要人物です。
豪快で行動力があり、多少強引なところもありますが、判断は冷静。
何が起きるか分からない場所でも自分で状況を見て動いていく、まさに現場型の人物です。
乃木とは全くタイプが違いますよね。
そんな野崎が着用しているのが、グランドセイコー Sport CollectionのスプリングドライブGMT[SBGE201]。
ブラックダイヤルに赤いGMT針、24時間表示のベゼルを組み合わせた、グランドセイコーの中でもかなりスポーティーな一本です。
GMTとは、通常の時刻とは別にもう一つの時間帯を確認できる機能。
海外を飛び回ることの多い野崎という役柄を考えると、機能的にもかなり納得できます。
同じグランドセイコーでも、乃木のSLGA009とは全然違うんですよね。
乃木は静かで上品。
野崎はタフで実用的。
個人的には、こういうキャラクターごとの時計の使い分けを見るのがかなり面白いです。
野崎の場合は、高級感だけではなく「道具として使える時計」という雰囲気がちゃんとあります。
公安という仕事を考えても、このくらいの存在感の方が似合いますね。
黒須駿/松坂桃李さん
SEIKO PROSPEX

品番:SBDC111
当時価格:¥132,000(税込)
※生産終了モデル
そして、松坂桃李さん演じる黒須駿。
黒須も乃木と同じ「別班」に所属する人物で、乃木と行動をともにしながら任務を遂行していきます。
冷静で判断も早く、身体能力も高い。
一方で、乃木に対する信頼も強く、物語が進むにつれて二人の関係性もかなり重要になっていきます。
乃木が知性や冷静さを感じさせるタイプだとすれば、黒須はもう少し現場で動く実戦派という印象があります。
そんな黒須が着用しているのが、セイコー プロスペックス[SBDC111]。
グリーンダイヤルとグリーンベゼルを組み合わせたダイバーズウォッチで、ケース径は42.7mm、200m潜水用防水、約70時間のパワーリザーブを備えた[キャリバー6R35]を搭載しています。
これも、黒須という人物にはかなり合っています。
高級感を前面に出す時計ではありません。
むしろ、多少ぶつけても気にせず使える、完全に道具としての時計。
任務中に水に濡れるかもしれない。
荒っぽい状況になるかもしれない。
そんな場面を考えると、プロスペックスのダイバーズという選択はかなり自然です。
しかもこのSBDC111は、1970年に登場したセイコーダイバーズを現代的に再解釈したモデル。
セイコーらしい歴史もあり、実用性もしっかりある。
黒須には、この少し無骨な感じがよく似合います。
同じ作品でも、時計は全然違う。
今回3人の時計を見ていて面白いのが、どれも日本ブランドなのにキャラクターが全然違うというところです。
乃木はグランドセイコーの白樺。
野崎はグランドセイコーのGMT。
黒須はセイコー プロスペックス。
同じ「日本の時計」という括りでも、これだけ雰囲気が変わります。
時計って、その人がどんな仕事をして、どんな服装をして、どういう使い方をするのかで、似合うモデルが本当に変わるんですよね。
私たちも店頭で時計をご提案するとき、単純に人気モデルをおすすめするだけではありません。
仕事で使うのか。
休日中心なのか。
スーツが多いのか。
海外へ行くことが多いのか。
時計に高級感を求めるのか、実用性を求めるのか。
そういう話をしていくと、最初に考えていた時計とは全く違う一本にたどり着くこともあります。
『VIVANT』の時計を見ていると、改めて時計と人の組み合わせって面白いなと思います。
ドラマの中ではほんの一瞬しか映らない腕元ですが、
「この人だから、この時計なのか。」
そんな目線で見てみると、作品の楽しみ方もちょっと変わってきます。
特に乃木が着けている[SLGA009]は、現在もグランドセイコーを代表する一本。
ドラマを見て気になった方は、ぜひ実際に腕に乗せてみてください。
テレビで見る白樺も格好良いですが、実物のダイヤルはやっぱり別物です。
今後の『VIVANT』でも、ストーリーと一緒に出演者の腕元にも注目してみたいですね。
