【WING VOICE】Vol.16 シールブームが少し落ち着いた今、改めて思う。子どもも大人も「好きなものを集める」感覚は同じなのかもしれない
少し前まで、子どもたちの間でかなり盛り上がっていたシールブーム。
キラキラしたもの、ぷっくりしたもの、キャラクターものなど、シール帳を持ち歩いて友達同士で見せ合ったり交換したり、うちの子どもたちを見ていても「そんなにシール欲しい?」と思うくらい夢中になっていました。
最近はあの頃ほどの勢いは少し落ち着いてきたように感じますが、だからこそ今、改めて思うことがあります。
あれって、大人が時計を欲しがる感覚とそんなに変わらないんじゃないか。
もちろん価格は全然違います(笑)。
でも、「欲しい」「集めたい」「人に見せたい」「ちょっと珍しいものが欲しい」という気持ちは、意外と同じなのかもしれません。

友達が持っていると、急に欲しくなる
シールが流行っていた頃、子どもたちは友達のシール帳を見て、
「これ持ってない」
「これ欲しい」
「どこで売ってるの?」
とよく話していました。
自分では知らなかったものでも、誰かが持っているのを見ると急に気になり始める。
これ、時計でもよくあります。
友人が着けていた時計、SNSで見かけた時計、街でたまたま見た時計。
それまで全く候補に入っていなかったのに、実際に誰かが着けている姿を見ると、
「これ、こんなに格好よかったんだ」
と急に欲しくなる。
時計店に立っていても、カタログのスペックだけで時計を選ぶ方ばかりではありません。
むしろ、その時計を着けたときの雰囲気や、自分が身につけている姿を想像した瞬間に気持ちが動くことの方が多いように感じます。
「レア」に弱いのも同じ
シールにも、人気の柄やなかなか売っていないものがありました。
普通に売っているものより、
「これ全然見つからないんだよ」
と言われるものほど欲しくなる。
時計の世界にも、限定モデル、ブティック限定、生産本数の少ないモデル、生産終了モデルなどがあります。
いつでも買えると思っていた時計が、
「もう生産終了です」
となると、急に気になってしまう。
人間って面白いですよね。
子どもも大人も、少し珍しいものや人と違うものに惹かれる感覚は、案外変わらないのだと思います。
シール帳と時計ケースも、考えてみたら似ている

シールブームのとき、子どもたちはシールをただ買うだけではなく、
「どこに貼ろう」
「これはお気に入りだからここ」
「これは交換しない」
と、自分なりに分類して楽しんでいました。
これも時計好きの人なら、ちょっと分かる気がしませんか?
時計ケースを開いて、
今日はこれを着けよう。
これは仕事用。
これは旅行用。
これは思い入れがあるから手放さない。
そんなふうに一本一本に意味を持たせている。
子どものシール帳と大人の時計ケース、値段だけ見れば全く別物ですが、やっていることは意外と近い気がします。
時計も結局は「好きだから」でいい
高級時計となると、どうしてもムーブメント、仕上げ、歴史、ブランド背景、希少性、資産価値など、いろいろな理由を考えます。
もちろん、それも時計を楽しむ大きな魅力です。
でも何本も時計を見ていると、最後に選ぶ理由って案外シンプルだったりします。
文字盤の色が好き。
ケースの形が好き。
このブランドが好き。
人とあまり被らない。
昔から憧れていた。
限定だから気になる。
結局は、
「なんかこれが好き」
という感覚だったりします。
子どもがシールを選ぶときに、素材や将来の価値まで考えて選んでいるわけではありません。
単純に「これかわいい」「これ欲しい」。
大人になるにつれて、いろいろ理由を付けるようになりますが、本当は時計もそれくらい自由に選んでいいのかもしれません。
ブームが終わっても、好きだったものは残る
流行というものは、ずっと続くわけではありません。
少し前まであれだけ夢中だったシールも、時間が経てば別のものに興味が移っていく。
時計にもトレンドがあります。
大きな時計が流行る時代もあれば、小ぶりな時計が人気になる時代もあり、文字盤の色や素材にも流行があります。
でもブームが過ぎたあとに残るものがあります。
「あの頃これが本当に好きだったな」
という記憶です。
もしかすると、良い時計というのも同じなのかもしれません。
流行っているから買った時計ではなく、自分が本当に気に入って選んだ時計は、ブームが終わっても手元に残る。
そして何年か経ったとき、その時計を見るだけで、その頃の仕事や家族、旅行や出来事まで思い出せる。
そう考えると、時計は単なるモノではなく、思い出を残していく道具でもあるのだと思います。
少し前まで夢中になってシールを集めていた子どもたちを見ながら、
「こんなに集めてどうするんだろう」
なんて思っていましたが、時計ケースを開けた自分を見たら、あまり人のことは言えません(笑)。
集めるものは変わっても、「好きなものを持っていたい」という気持ちは、子どもの頃から案外変わらない。
そんなことを、シールブームが少し落ち着いた今だからこそ思います。
