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【WING VOICE】Vol.6 もうひとつのジュネーブ時計の祭典「Geneva Watch Days 2026」とは?

TomoharuIshibashi

時計業界における世界最大級のイベントといえば、毎年春にスイス・ジュネーブで開催される「Watches and Wonders Geneva(ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ)」を思い浮かべる方が多いと思います。

私自身も時計に携わる人間として、各ブランドが一年の中でも特に力を入れた新作を一斉に発表するWatches and Wondersは毎年非常に楽しみにしているイベントですが、実はジュネーブにはもうひとつ、時計好きならぜひ知っておきたい祭典があります。

それが今回ご紹介する、

「Geneva Watch Days(ジュネーブ・ウォッチ・デイズ)」

です。

2026年は9月2日(水)から9月6日(日)までの5日間、スイス・ジュネーブで開催され、現在発表されている参加ブランドは過去最多となる71ブランド

Watches and Wondersとはまた違った意味で、個人的にも非常に興味のあるイベントです。

 

 


Geneva Watch Daysはどんなイベント?

Geneva Watch Daysがスタートしたのは2020年。

当時、世界各地で時計の展示会が開催できない状況になった中、ブライトリング、ブルガリ、ドゥ・ベトゥーン、ジラール・ペルゴ、H.モーザー、MB&F、ユリス・ナルダン、ウルベルクという8社が中心となり、新しい時計発表の場をつくったことから始まりました。

ここからが、このイベントの面白いところです。

一般的な大型展示会のように、すべてのブランドがひとつの巨大な会場にブースを構えるのではありません。

レマン湖畔の**Rotonde du Mont-Blanc(ロトンド・デュ・モンブラン)**にメインパビリオンを設けながら、各ブランドがジュネーブ市内のブティックやホテル、ショールームなどを使い、それぞれのスタイルで時計を発表します。

つまり会場に行って一日中ブースを回るというより、

ジュネーブの街そのものが時計の展示会場になる。

そんなイメージでしょうか。

これは時計好きにはかなり楽しそうです。

 

 


Watches and Wondersとは何が違う?

同じジュネーブで開催されるので混同しそうですが、Watches and WondersとGeneva Watch Daysでは雰囲気がかなり違います。

2026年のWatches and Wondersには65ブランドが参加し、ロレックス、パテック フィリップ、カルティエ、IWC、パネライ、グランドセイコー、チューダー、タグ・ホイヤー、ゼニスなど、世界を代表するブランドがジュネーブのPalexpoに集結しました。

いわば、

Watches and Wondersは「世界の時計業界が一堂に会する巨大なショー」。

一方のGeneva Watch Daysは、大手ブランドも参加しますが、特に面白いのが独立系ブランドや小規模なマニュファクチュール、新進気鋭のブランドが非常に多いことです。

規模の大きさや豪華なブースを競うというより、

「自分たちはこんな時計を作りたい」

「この機構を見てほしい」

「この時計の考え方を伝えたい」

という、作り手側の熱量がより前に出てくるイベントなのだと思います。

そしてブランドによっては創業者や時計師本人と直接話せる機会もあり、完成した時計を見るだけではなかなか分からない、設計思想や素材選び、機構に込めた考え方まで聞くことができるのもGeneva Watch Daysの大きな魅力です。

個人的には、この距離感がものすごく面白い。

巨大な時計ブランドの最新作を見るWatches and Wondersとはまた違い、これから世界的に評価されるかもしれないブランドや、時計師の新しい発想に直接触れられる場所というのがGeneva Watch Daysなのではないでしょうか。

 

 


Geneva Watch Days 2026 参加ブランド

そして2026年の参加ブランドもかなり面白い顔ぶれになっています。

8月現在、公式サイトでは71ブランドの参加が案内されています。

Geneva Watch Days 2026 出展ブランド

Akhor
Alpina
Alto
Amida
Artisans de Genève
BA111OD
Beaubleu
Beauregard
Beda’a
Behrens
Bell & Ross
Bianchet
Bimbu
Breitling
Bremont
Bvlgari
Byrne
Cédric Johner
Claude Meylan
Corum
Czapek
Daniel Roth
David Candaux
De Bethune
Dennison
DOXA
Emmanuel Bouchet
Fears
Ferdinand Berthoud
Frédérique Constant
Furlan Marri
Gallet
Gerald Charles
Gérald Genta
Girard-Perregaux
Greubel Forsey
Hautlence
Kerbedanz
Keris
Konstantin Chaykin
Krayon
L. Leroy
Laurent Ferrier
Lederer
L’Épée
Linde Werdelin
Louis Erard
Louis Moinet
Massena Lab
Maurice Lacroix
Mauron Musy
MB&F
MicroMilSpec
MING
NAOYA HIDA & Co.
Oris
Otsuka Lotec
Perrelet
Phillips in Association with Bacs & Russo
Renaud Tixier
Reservoir
Singer Reimagined
Speake-Marin
Stollenwurm SA
Trilobe
Tutima
Unimatic
Universal Genève
Urwerk
Zenith
MARLI New York

※参加ブランドは変更・追加となる可能性があります。最新情報はGeneva Watch Days公式サイトをご確認ください。

 

 


ブライトリングをはじめ、注目ブランドが多数参加

この一覧を見るだけでも時計好きならかなりワクワクすると思いますが、WINGとして特に気になるところでは、ブライトリング、ジラール・ペルゴ、ゼニスなども参加予定となっています。

さらにブルガリ、MB&F、ドゥ・ベトゥーン、グルーベル・フォルセイ、ローラン・フェリエ、チャペック、ウルベルク、ジェラルド・チャールズ、ジェラルド・ジェンタなど、時計好きであれば名前を聞いただけで反応してしまうブランドがずらり。

その一方で、日本からも**NAOYA HIDA & Co.、大塚ローテック(Otsuka Lotec)**が参加します。

世界中の独立系ブランドが集まるジュネーブの舞台で、日本の時計作りがどのように評価されるのかという点も非常に興味深いところです。

 

 


「知らないブランド」があることこそ面白い

参加ブランド一覧を見て、

「知らないブランドが結構あるな」

と思った方も多いかもしれません。

でもGeneva Watch Daysの場合、むしろそこが面白いところだと思っています。

時計業界を長く見ていても、世界にはまだまだ日本ではほとんど知られていないブランドがたくさんあります。

数人規模の工房で時計を製作していたり、年間生産本数が極端に少なかったり、大資本にはできないような非常に変わった機構に挑戦していたり。

現在では世界的に高く評価されている独立時計師やブランドでも、最初から誰もが知っていたわけではありません。

だからこそ、

「次に来る時計を探す」

という視点でGeneva Watch Daysを見るのも、時計専門店としては非常に面白いと思います。

 

 

 


2026年は「Blue Box」も登場

今年のGeneva Watch Daysで個人的に面白そうだと思ったのが、新しい展示スペース**「Blue Box」**です。

メインパビリオンの隣に設けられ、現在発表されている内容では150本以上の時計が展示される予定で、「Water・Earth・Air・Fire」という4つのテーマに分けて現代の時計作りを見ることができます。

さらに毎日14時から16時には英語とフランス語によるガイドツアーも予定されており、この展示自体も無料で一般公開されます。

いきなり70以上のブランドを一つずつ調べるのは大変ですが、まずここを見て、

「この時計面白いな」

「このブランド知らなかった」

という一本を探し、そこから実際のブランドの展示へ足を運ぶ。

こんな楽しみ方も良さそうです。

 

 


時計を見るだけではないのも魅力

Geneva Watch Daysでは新作発表だけでなく、時計業界の未来について語るシンポジウムやディスカッション、時計文化をテーマにしたクイズ、時計に関する専門家の解説など、さまざまなプログラムが予定されています。

2026年には、

「ブランドとプロダクト、時計の魅力を生み出しているのはどちらなのか」

「巨大ラグジュアリーグループと独立系ブランドの二極化」

といった、販売する側から見てもかなり興味深いテーマのディスカッションも予定されています。

こういう話は個人的にもかなり聞いてみたいです。

時計は単純にスペックや価格だけで売れるものではなく、そのブランドの歴史、デザイン、作り手、ストーリー、そしてお客様がその時計を欲しいと思う理由まで含めて初めて価値が生まれる商品です。

世界の時計業界が今どこへ向かっているのかを直接感じられることも、こうしたイベントへ足を運ぶ大きな意味なのだと思います。

 

 


一般の時計好きでも楽しめる

そしてGeneva Watch Daysのもうひとつ大きな特徴が、一般の時計ファンにも開かれたイベントであること。

メインパビリオンやBlue Boxなどは無料で一般公開され、ジュネーブの街を歩きながら時計に触れることができます。

もちろんブランドごとの展示や商談には予約や招待が必要になるものもありますが、それでも時計業界関係者だけの閉ざされた展示会ではなく、

メーカー
時計師
販売店
メディア
コレクター
一般の時計好き

が同じ街の中で時計を楽しむ。

この距離の近さはGeneva Watch Daysならではです。

 

 

ジュネーブという街で楽しむ時計

そもそもジュネーブは時計好きにとって特別な街です。

街の中心を歩けば世界を代表する時計ブランドのブティックが並び、少し足を延ばせば時計に関係する場所も数多くあります。

Geneva Watch Days期間中は、市内各所に参加ブランドのショールームが設けられ、モンブラン橋やコルナヴァン駅にもイベントの装飾が施される予定で、会場の中だけではなく街全体が時計の空気になる5日間です。

午前中にメインパビリオンを見て、気になるブランドのショールームへ行き、途中でレマン湖を眺めながら食事をして、午後からまた時計を見る。

時計好きなら、おそらく何日あっても足りません(笑)

 

 


Watches and Wondersとは違う、もうひとつの楽しさ

Watches and WondersにはWatches and Wondersの圧倒的なスケールがあります。

ロレックスやパテック フィリップをはじめ、世界を代表するブランドが一斉に新作を発表する春のジュネーブは、やはり時計業界最大のイベントのひとつです。

一方でGeneva Watch Daysには、

ブランドと人との距離が近い。
独立系ブランドが多い。
まだ知らない時計と出会える。
ジュネーブの街そのものを歩きながら楽しめる。

という、まったく違った魅力があります。

どちらが上というものではなく、

春のWatches and Wondersと、秋のGeneva Watch Days。

この二つを見ることで、現在の時計業界がより立体的に見えてくるように思います。

 


Geneva Watch Days 2026 開催概要

開催期間
2026年9月2日(水)~9月6日(日)

開催地
スイス・ジュネーブ

メイン会場
Rotonde du Mont-Blanc

参加ブランド
71ブランド ※2026年8月現在

一般入場
メインパビリオン、Blue Boxなど一般公開エリアは無料

最新の開催情報、各ブランド、プログラムについてはGeneva Watch Days公式サイトをご確認ください。

 

 


いつか実際に訪れてみたいイベント

私自身、ジュネーブへ行く機会はこれまでにもありますが、Geneva Watch DaysはWatches and Wondersとはまた違った時計の世界を見ることができそうで、非常に興味があります。

特に独立系ブランドは、ホームページや写真だけでは時計の本当の面白さがなかなか伝わりません。

ケースの作り、文字盤の質感、ムーブメントの仕上げ、実際に腕に着けた時の感覚、そして何より、それを作っている人が何を考えているのか。

そうしたものを直接見て、聞いて、感じることができるのが時計の展示会の醍醐味だと思います。

今年2026年は9月2日から9月6日までの開催となりますので、今回はスケジュール的に難しいとしても、また機会があればぜひ実際に足を運び、その様子を皆様にもこのブログでお伝えできればと思います。

もしかすると、そこで出会った一本や、まだ日本ではあまり知られていないブランドが、数年後には時計業界で当たり前の存在になっているかもしれません。

そんな「まだ知らない時計との出会い」があることこそ、Geneva Watch Daysの一番の魅力なのかもしれませんね。

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