【WING VOICE】Vol.4 セイコー〖SEIKO〗宇宙服から着想した“ロトコール” HFL002P
これ、かなり面白いです。
セイコー〖SEIKO〗から、1982年に発売されたデジタルウォッチ[Rotocall(A829)]をベースにした新作、[HFL002P]が登場しました。2026年8月7日発売のモデルで、今回は初期の宇宙服から着想したシルバーカラーに、オリジナルにはなかった反転液晶を組み合わせています。

まず、この時計を見て一番気になるのがデザイン。
正直、かなりレトロです。
でも古い感じではなく、むしろ今見るとちょっと未来的に見えるんですよね。
シルバーのケースとブレスレットに黒背景の反転液晶、この組み合わせがすごく効いていて、1980年代のデジタルウォッチをそのまま復刻したというより、当時のデザインを今の感覚でもう一度作り直したような雰囲気があります。
“ロトコール”って何?
今回のHFL002Pのベースになっているのが、1982年に発売された[Rotocall A829]。
最大の特徴は、文字盤の周りにある八角形のロータリースイッチで、これを回すことでタイマー、ストップウォッチ、デュアルタイムなどの機能を切り替えることができます。


今の時計ならボタンを何回か押してモードを切り替えるところですが、あえて“回す”。
この操作感、個人的にはかなり好きです。
時計って、機能そのものも大事なんですが、こういう「触って楽しい」という部分も結構重要なんですよね。
特にデジタルウォッチは、スペックだけを見るとスマートウォッチには到底かなわない。
だからこそ、こういう操作する楽しさだったり、デザインだったり、所有する理由がちゃんとある時計の方が面白いと思います。
宇宙服がモチーフというのもいい。
今回の“アストロノート”シリーズは、その名前の通り宇宙をテーマにしています。
HFL002Pのシルバーは初期の宇宙服から着想したカラーで、兄弟モデルのHFL003Pには、宇宙服に使われるサーマルブランケットをイメージしたゴールドカラーが採用されています。
シルバーとゴールド。
同じ時計なのに、かなり印象が違います。
個人的には今回のHFL002Pの方が好きですね。
シルバーの方が少し無機質で、宇宙船の計器みたいな雰囲気もあるし、黒い反転液晶との組み合わせもかなりまとまっています。
こういう時計って、変に色を足しすぎると一気に玩具っぽくなってしまうんですが、今回はかなりシンプルにまとめている。
ここはいいなと思います。
サイズも意外と使いやすそう。
ケースサイズは横37mm、縦43.5mm、厚さ10.6mm。
最近の時計として考えると、かなりコンパクトなサイズ感です。
重量は約108gで、ステンレスケースとメタルブレスレットを採用しながら、10気圧防水もしっかり確保されています。
このサイズなら男性はもちろん、少し大きめの時計が好きな女性でも普通に使えそうです。
最近は機械式時計でも小径化が進んでいますが、こういう80年代のデジタルウォッチも、今のサイズトレンドにちょうど合っている気がします。
中身はちゃんとセイコーのデジタル。
搭載されるのはクオーツキャリバー[A824]。
1/100秒ストップウォッチ、最大100分のタイマー、アラーム、デュアルタイム、カウンター、フルオートカレンダー、LEDライトなど、デジタルウォッチとして必要な機能はかなり揃っています。
電池寿命は約3年、精度は平均月差±20秒。
めちゃくちゃハイスペックというわけではありません。
でも、この時計にそこを求める人も多分あまりいないですよね。
この時計は、
「便利だから買う」というより、「面白いから着けたい」。
そういう時計だと思います。

こういう復刻は結構好きです。
最近は各ブランドから過去の名作を復刻したモデルが本当に増えています。
もちろん昔の時計を忠実に再現するのもいいのですが、今回のHFL002Pみたいに、当時にはなかった反転液晶を使ったり、新しいカラーリングを取り入れたりして、少しだけ現代風にアレンジするのも面白い。
復刻だからといって、全部昔と同じにする必要はないんですよね。
むしろ、
「昔のデザインを今作ったらどうなるか」
くらいの方が、時計としては楽しいと思います。
そして何より、こういう時計を見ると改めてセイコーの引き出しの多さを感じます。
機械式もあれば、クオーツもある。
グランドセイコーのような高級時計もあれば、こういう遊び心のあるデジタルウォッチもある。
それでも全部ちゃんと“セイコー”に見える。
これは簡単なことではありません。
[HFL002P]。
懐かしい時計ではあるんですが、実際に見ると意外と新しい。
個人的には、夏にTシャツ一枚でさらっと着けるくらいが一番格好良さそうです。
こういう時計、一本持っていると結構使うんですよね。