コンコルドは、ただの旅客機ではありません。
高度 約60,000フィート(約20,000m)、速度マッハ2(音速の約2倍=約680m/s)で、成層圏のさらに上を、音速を超えて巡航する。
それは当時、「旅客機では不可能」と言われた領域でした。しかしコンコルドは、それを現実にしたのです。
そして、この高度域で目にする光景は、通常の旅客機とはまったく異なるものです。
高度30,000フィート(約10,000m)を超えたあたりから、空の色は徐々に変わり始めます。
淡い青から、次第に深く、濃く、まるで宇宙へ近づくかのような“深い青”へ。
さらに、これまで一直線に見えていた水平線は、ゆっくりと弧を描き始めます。地球が「丸い」という事実を、視覚として実感する瞬間です。
コンコルドは、単に速いだけではなく、“地球の形と空の色を体験させる飛行機”でもあったのです。
それでも、夢は長くは続きませんでした。あまりにも先進的すぎたがゆえに、現実は厳しいものでした。
搭乗できるのは僅か100名、運航に掛かるコストは高額で、とても採算がとれるような状況ではありませんでした。
そして2000年、痛ましい事故を契機に、その歴史は終焉へと向かいます。“速さ”という夢は、現実の壁に阻まれ、空から姿を消しました。
しかし興味深いのは、コンコルドが消えた後も、この夢は終わっていないということです。現在はアメリカのブーム社が再び超音速旅客機の実現に挑んでいます。これには日本航空も、出資という形でこの挑戦に関わっています。
“超音速で空を飛ぶ”という夢は、今もなお生き続けています。
この物語は、実は時計の世界にも重なります。
ブライトリングもまた、「不可能」と戦い続けてきたブランドです。クォーツショックの時代、多くのメーカーが機械式時計を手放す中で、あえて機械式クロノグラフにこだわり、“時間を測る道具”としての価値を守り続けました。
効率ではなく、思想を選んだ。
合理ではなく、情熱を貫いた。
それはまさに、コンコルドと同じ“挑戦者の姿勢”です。
今回のモデル、ナビタイマー B01 クロノグラフ 43 トリビュート トゥ コンコルド は、単なる限定モデルではありません。それは、不可能に挑んだ航空機への敬意 、限界を超えようとした人類の意志 、そして今も続く“速さ”への憧れ、これらすべてを腕元に宿す一本です。
マッハ2で空を駆けた夢。
それは一度終わったかもしれません。しかし挑戦そのものは、終わっていない。
この時計は、ただ時を刻むだけではありません。「限界の先へ進もうとする意志」を、静かに語り続けます。