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戦闘機に乗るときの儀式

野口 浩一

こんにちは、元戦闘機パイロットの野口です。

 少し前の話になりますが、僕が現役のときは米国製の古い戦闘機や練習機が航空自衛隊にはまだ存在していました。それらのコックピットには、ブライトリング製やその他のメーカーの時計がコックピットの計器盤に備え付けてありました。

 そんな飛行機に、飛行日誌を記入した後に外部点検をしてコックピットに乗り込むのですが、初めにやることが時計のネジを巻くことなんです。
 現在でこそ備え付けの時計はクォーツになりましたが、当時は手巻き式のものでした。それも今みたいに巻き過ぎを防ぐ機構など付いていませんでしたし、手袋をしているので力の加減ができず、ねじ切ってしまうことが結構ありました。
 パワーリザーブは1日以上あるのですが、途中で止まってしまうと致命的なので、必ずコックピットに乗り込んだ時に慎重に巻いたものです。
 ミッションを完遂するためには、それほどに時計は重要な意味を持っているのです。

 かつてアポロ8号でアームストロング船長が月に降り立つときに、船内に備え付けてある時計に何かあったときの予備として月面着陸船に自分の腕時計を置いて行ったり、故障したアポロ13号が必死の生還をする中で、腕時計のクロノグラフを使ってロケット噴射の時間を測ったりと、機械式の腕時計はいざという時に重要な役割を果たしてきました。
 ブライトリングも、AOPA(Aircraft owners and pilots association)やスコット・カーペンターの要望により、空に宇宙にと活躍してきました。AOPAの要望で生まれたのがナビタイマーであり、73年来その姿を変えることなく存在しています。また、スコット・カーペンターの要望により生まれたのがコスモノートであり、今でも特別なモデルとして時々顔を出します。
 航空機に備え付けてある時計も、航空用腕時計もブライトリングが最も得意としている分野であり、現在も現役のパイロットに愛用され続けています。
 まさにプロフェッショナルのための計器です。

 ブライトリングは航空用以外にも陸に海にと、たくさんのモデルがあります。ぜひ店頭まで足を運び、実物を手に取って見ていただきたいと思います。
 お待ちしております。

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