このモデルは、航海中の使用を想定したクロノグラフで、防水性や視認性を重視して作られていました。しかし、戦況が変化する中で量産化には至らず、実際にはわずか2〜3本のプロトタイプしか製造されませんでした。その為、当時のマーレ ノストゥルムは非常に希少で、現在でも時計コレクターたちの間で伝説的な存在となっています。
パネライの伝説クロノグラフ：マーレ ノストゥルムの歴史と魅力
皆様こんにちは！
パネライ金沢ブティックのエスターです✨
前回のブログでご紹介させて頂いたモデルはパネライ初のルミノールマリーナモデルとその復刻モデルPAM05218でした！既に記事を読んで頂いた方にはご存知だと思いますが、パネライが一般市場に初めて発売されたモデルは２つあります！
と言うわけで、今回のブログではその中の一つ「マーレ ノストゥルム（Mare Nostrum）」についてお話ししたいと思います！名前からしてロマンを感じさせるこのモデル、実はパネライの中でも特別な存在なんです。
それでは早速、マーレ ノストゥルムの歴史を振り返りながら、その魅力に迫っていきましょう！
「マーレ ノストゥルム」という名前の意味
「マーレ ノストゥルム」はラテン語で「我らの海」を意味します。この名前は元々ローマ帝国時代に地中海を指す言葉でした。後にイタリアの歴史や文化とも深く結びつく言葉となり、イタリア海軍の歴史的背景を持つパネライの時計にはぴったりの名前です。
1950年代：誕生した伝説のプロトタイプ
マーレ ノストゥルムの歴史は、第二次世界大戦中にさかのぼります。1950年代、パネライはイタリア海軍の将校向けに制作した最初のプロトタイプを発表しました。
1993年：民間市場への進出とともに復活
1993年、パネライが一般市場に初めて進出した際、マーレ ノストゥルムが復活しました！
この復刻モデルについて最も驚くべき点は、製造過程においてパネライが実際のマーレ ノストゥルムのプロトタイプを所有していなかったことです！
代わりに、先程ご覧いただいた1950年代の乾板写真を唯一の参考資料として「マーレ ノストゥルム ref. 5218-301/A」が設計されたのです！
その状況で生産されても、復刻版のマーレノストゥルムはプロトタイプのデザインを忠実に再現し、民間人に付けやすい42mmのサイズに復活されました。初期のパネライコレクションの中でも特に注目の一品となり、多くのファンを魅了しました。
1997年〜1998年：初期のヴァンドーム時代
パネライがヴァンドームグループの一部となった後、3色の文字盤バリエーションを持つマーレ ノストゥルム コレクションが発売されました。このコレクションが特に注目された理由は、パネライ史上初めて、そして唯一、ホワイト文字盤のマーレ ノストゥルム PAM0007が登場したことです。3色の中でも、ホワイト文字盤は生産数が非常に少なく、2年間でわずか90本しか製造されませんでした。その為、現在でもファンやコレクターの間で高い評価を受け、パネライの伝説的なヴィンテージモデルとされています。
現代のマーレ ノストゥルムの変遷
2010 – マーレ ノストゥルム PAM00300
2010年に発表されたマーレ ノストゥルム PAM00300は、1950年代のマーレ ノストゥルム プロトタイプをほぼ完璧に再現したモデルです。同じカラーリングと仕様を共有し、その忠実さが特徴的です。このモデルはたった99本限定で製造され、52mmという大きなケースサイズと美しいムーブメントを眺められるオープンケースバックを備えています。内部には、ヴィンテージのミネルバ13-22ムーブメントをベースにした見事なパネライ OP XXVキャリバーが搭載されています。
2015 – マーレ ノストゥルム チタニオ PAM00603
2010年モデルに続いて登場したマーレ ノストゥルム チタニオ PAM00603は、1950年代のプロトタイプを忠実に再現した復刻版です。その名の通り、このモデルの大きな特徴はケースがチタン製になったことです。これにより、52mmという大きなケースサイズながらも、軽量で使いやすいデザインへと進化しています。このモデルもまた限定生産で、世界でわずか150本しか製造されていません。
2017 – マーレ ノストゥルム アッチャイオ PAM00716
PAM00716は、これまでの2つのモデルとは異なり、1993年の民間コレクションモデルマーレ ノストゥルム ref. 5218-301/Aを再現したモデルです。42mmの程よいケースサイズとETAムーブメントを搭載し、日常使いに適したデザインとなっていますが、世界限定1000本の希少モデルです。
まとめ
マーレ ノストゥルムは、パネライの歴史と伝統を象徴する特別なモデルであり、時計界でも唯一無二の存在です。その美しいデザインと背後にあるストーリーは、時代を超え、多くの人々を魅了し続けています。前回の復刻モデルの発売から8年が経過しましたが、これほど深い歴史と熱いファン層を持つ時計だからこそ、パネライが再び復刻モデルを生産してくれることを期待していますね！
次回のブログでも、パネライの魅力をたっぷりお届けする予定ですので、どうぞお楽しみに！
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