※キングセイコー ファーストモデル(Ref.j14102)
※グランドセイコー ファーストモデル(Ref.j14070)
「キングセイコーとグランドセイコーって、何が違うんですか?」「グランドセイコーのほうが上?」
セイコーの時計をご覧になっているお客様から、一番多い質問です。
分かりやすく、車で例えると「クラウン」と「レクサス」とお伝えしますが、
どちらもセイコーを代表する高級時計として長い歴史を持ち、機械式時計を選ぶ際には比較されることも多いブランドです。
名前も似ているので、「キングセイコーはグランドセイコーより下なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
正直言うと、「どちらが上」ということはありません。どちらもセイコー内で切磋琢磨し、歴史を築き上げてきたブランドであり、単純な関係ではないからです。
1960年代のセイコーの歴史をたどると、キングセイコーとグランドセイコーがそれぞれ異なる方向から高級時計の魅力を追求していたことが分かります。
今回は、時計を初めて選ぶ方にも分かりやすいように、キングセイコーとグランドセイコーの歴史やデザインの違い、そして現在のキングセイコーの魅力について公式HPの情報を元にご紹介させていただきます。
※キングセイコー ファーストモデル(Ref.j14102)
※グランドセイコー ファーストモデル(Ref.j14070)
まずは歴史から見てみましょう。
グランドセイコーは1960年に誕生しました。
当時のセイコーが目指したのは、世界に通用する高精度・高品質な腕時計。
初代グランドセイコーは、当時のスイス・クロノメーター優秀級と同等の社内検定を行い、高精度を追求したモデルとして誕生しています。
そして、その翌年の1961年にキングセイコーが誕生します。
当時のセイコーには、主に諏訪精工舎と第二精工舎という製造拠点がありました。
グランドセイコーは諏訪精工舎、キングセイコーは第二精工舎で製造され、それぞれが高級時計としての道を追求していきます。
つまり、
グランドセイコーとキングセイコーは、セイコーの中で切磋琢磨しながら、それぞれ違った個性を育てていった。
この部分が重要なポイントではないのかなと思います。
「精度」を追求したグランドセイコー
グランドセイコーを語るときに外せないのが、精度へのこだわりです。
1960年の誕生以来、グランドセイコーは「正確さ・見やすさ・美しさ」という腕時計の本質を高い次元で追求してきました。
1966年には、スイス・クロノメーター検査基準を超える精度を目指した「グランドセイコー規格」も制定されています。
また、1967年に登場した44GSは、現在にも受け継がれている「グランドセイコースタイル」を確立したモデルです。
平面と直線を主体としたケース、歪みのない鏡面、光と影によって生まれる美しい表情。
グランドセイコーの時計を実際に見たことがある方なら、「ケースの面がすごく綺麗」と感じるかもしれません。
これは単なるデザインではなく、日本独自の美意識を時計に落とし込んだものなのです。
グランドセイコーについて、YouTubeにて弊社スタッフが話してくれているので、下記リンクから併せて見ていただければと思います。
※1967年に登場した44GS
一方でキングセイコーは、高い性能とともに、先進的なデザインや風格を追求していきました。
セイコー公式の歴史では、キングセイコーは「高級腕時計としての性能と先進的なデザイン、そして適正な価格の共存」を目指した時計として紹介されています。
今現在から過去まで、最も注目を浴びたモデルは1965年に発売された2代目キングセイコー「KSK」です。
シャープなケース、エッジの効いたデザイン、無駄のないダイヤル。
さらに、防水性能や秒針を止めて時刻を合わせる秒針規正装置(ハック機能)など、実用面でも進化していました。
セイコー公式でも、このKSKが現在のキングセイコーにつながるデザインのオリジナリティを確立したモデルとして紹介されています。
画像で伝わるか分かりませんが、
ケースのエッジ。
文字盤の見やすさ。
針とインデックスのバランス。
写真だけでは分かりにくい、光の当たり方による表情があります。
実際、現在のグランドセイコーにも様々なデザインやムーブメントがありますし、キングセイコーにも複数のシリーズがあります。
ですから「キングセイコーはデザイン、グランドセイコーは精度」と完全に分けるのではなく、それぞれのブランドがどこに魅力を感じて時計を選ぶかで考えるのがおすすめです。これはセイコーに限らず、すべての時計に言えることだと思います。
※1965年に発売された2代目キングセイコー「KSK」
キングセイコーは1961年に誕生し、1970年代に一度その歴史の幕を閉じました。
この背景について詳しくは、先ほど紹介したYouTubeを見てくださいね。
そして約50年。
2022年、割と最近ですね。キングセイコーは現代の技術によって復活します。
この「復活」という歴史が、現在のキングセイコーを面白くしていると思います。
単に昔の時計をそのまま復刻したのではありません。
1960年代のキングセイコーが持っていたデザインの考え方を受け継ぎながら、現代の製造技術によって新しい時計として生まれ変わっています。
現在のキングセイコーは、セイコー公式でも「国産機械式腕時計としての新たな魅力を放ち続ける、セイコーのハイエンドメカニカルウオッチブランド」と位置づけられているのです。
そう考えてから現在のキングセイコーを見ると、ただ「セイコーの高級な機械式時計」というだけではなく、1960年代から続くデザインの思想を、現代の腕に合わせて楽しむ時計に見えてきませんか?
人とは少し違う国産機械式時計を選びたい方、有名ブランドだからという理由だけではなく、時計そのもののデザインや歴史を楽しみたい方。
1960年代のデザインをルーツに持つキングセイコーは、流行だけに左右されにくい魅力、クラシックな雰囲気が好きな方。
仕事だけでなく、休日にも時計を楽しみたい方には、実際の服装と合わせて試着していただくのがおすすめです。
グランドセイコーとキングセイコーどちらが上かではなく、自分が着けていて、見ていて気分が上がるのはどちらなのか?
「自分が好きだと思える時計」、そこが大切なことなんじゃないかなと、時計屋スタッフとして思います。
時計選びは、まず試着です。
「キングセイコーとグランドセイコー、実際に着け比べてみたい」とという方がいらっしゃいましたら、ぜひ店頭でご相談ください。
あなたに似合う時計を一本提案させていただきます。